登場人物の少なさと、圧倒的な風景描写、独特のセリフ回しで新海ワールド全開の作品でした。庭園で出会った謎の女性が残した意味深なセリフは物語終盤への伏線で、主人公との関係性も明かされていきます。いつからかお互い雨の日を待ちわび、癒しを求めて惹かれ合う。許されない仄かな恋心と挫折を経験しながらも前を向いて歩きだすヒロインと、未来に向かって歩き出す主人公。少し切なく、でも最後はポジティブになれる作品でした。
さりげないセリフにも裏設定を匂わせたり、深読みファンにはたまらないでしょうね。靴職人の夢はそれぞれ未来に向けて歩みだす物語のメタなのかも。私的には年齢設定が微妙で違和感が残りました。ヒロインとの歳の差、主人公の年齢、ヒロインが庭園に来るようになった理由など細かなところで引っかかりを感じました。ですが、大人でもない、子供でもない年齢となると主人公の年齢設定も仕方なかったのかもしれません。また、ヒロインが庭園に来る理由をあのようにしてしまったらヒロインと主人公の年齢差も設定のようにするしか無かったのかもしれませんね。