源虎徹 三徳包丁|安田刃物
Review
最近まで使っていた包丁は実家に置いてあり、手元に包丁がない状態でした。知人にもらった有名シェフ監修の包丁セットがあったのですが、使ってみて激怒。ニンジンやキュウリさえも鉛筆を削っているかのような切れ味で全く使い物になりませんでした。2~3回我慢して使ってみましたが、ストレスばかり溜まり料理もできない。我慢も限界を突破、すべてゴミ箱行きとなりました。それ以来、料理も包丁を使わないで済むような、ごくごく簡単なものしか作らないようにしていました。でも、やっぱり包丁があると便利ですよね。サラダも作れるし、豆腐を切るのにも包丁を使うのだし。(実は豆腐は包丁を買うまでヘラで切ってました ^_^;)まぁ、なんにせよ包丁は必要だろうということで購入することにしました。
せっかく買うのなら少し高くてもそこそこ切れる包丁が欲しいなと思い検索開始。安物買いの銭失いも嫌だし、高価なもの買っても自分にはオーバースペックで手入れもできない、装飾関係は必要なしということで価格帯は3千円~1万円前後まで。高評価で信頼性も高く価格的にも手が届くメーカーが5社。言わずと知れた刃物メーカーの貝印の関孫六シリーズ、世界で人気の藤次郎、アマゾンで人気爆発安田刃物の虎徹シリーズ、オールステンレス代名詞グローバル、ドイツの刃物といえばヘンケルス。どのメーカーも魅力的ですが、グローバルはパス。グローバルは以前使っていましたがステンレスの柄についに慣れず使うのをやめてしまいました。そしてヘンケルスもまた手に馴染まず使わなくなりました。
結局、関孫六シリーズ、藤次郎、虎徹シリーズから選ぶことにしました。貝印の関孫六シリーズは近所のホームセンターやデパートで実物を見ることができ、その場で購入することもできたのですが、琴線に触れるものがなく唯一良いなぁと思った商品は柄の部分が独特な形をしていて値段も高い。冒険をして購入するには高価すぎたため購入には至りませんでした。残るは藤次郎か虎徹となりました。初めは藤次郎を本命として探しましたが、検索にはオールステンレスの包丁がヒットします。世界的に藤次郎を有名にしたTojiro-Proがオールステンレス製の包丁という事だからなのですが、オールステンレスの包丁は好みに合いません。手に持つと冷たく、肉など脂を扱った後は滑る感じがあり馴染めない印象が強いのでオールステンレスの商品はパス。オーソドックスな木の柄のもので探しました。あまり知識のない私が検索したせいか木製の柄の藤次郎でほしいと思うものがなかなかヒットしませんでした。そんな時、虎徹シリーズの評価を読んでみるとコスパも良く高評価。価格は同じような包丁の藤次郎より割安、シリーズ名も虎徹と男心を掴むネーミング。今度は虎徹で検索開始。どうやらアマゾンの評価で凄い人気となっているのは関虎徹らしく紹介動画やレビューも多数ヒットします。木製の柄で刀身の形もなかなか良い。価格の割によく切れコスパも良いとなれば関虎徹に決定かなと購入ボタンを押す寸前までいき、ふとページの下の方を見ると源虎徹という商品が紹介されていました。関虎徹と源虎徹を比較してみると若干源虎徹の方が値段が高く材質や仕上げに違いがあるらしいと分かりました。
関虎徹は刃先は、コバルト、モリブデン・バナジウムを含む「V金10号」が使われていて源虎徹はスウェーデン鋼のなかでも最高級であるサンドビック社の19C27ステンレス鋼を使用、割込三層鋼に粗砥、中砥、仕上げ砥を使った手研ぎの刃付けが施されています。どちらも包丁には定評のある素材で、切れ味に大きな違いはないと思われます。研ぎや素材の持つ細かな特徴の違いなどは私の様な素人には判りません。柄の部分は関虎徹は全体の角がなく丸みを帯びた形でシンプル、一方源虎徹は指が当たる部分にエッジが立っていて凝ったデザインになっています。重量は若干関虎徹の方が重い。価格は源虎徹のほうがお高くなっています。そして一番の大きな違いは商品自体ではなくその販売方法にあります。関虎徹はAmazon.co.jp限定の商品ということ。このためアフェリエイトやYouTubeで関虎徹の紹介やレビューが多く、評価も高くなっていると思われます。源虎徹に比べ安価で納品も早いのもここに原因があるのかもしれません。ちなみに関虎徹はアマゾンらしく注文から2~3日で到着しますが、源虎徹は注文からひと月は覚悟しなければなりません。良い物を安く、早く手元に欲しいという方には関虎徹の方をお勧めします。
さて、注文からひと月待ち商品が届きました。本当に商品到着までひと月かかるんですね、待ちくたびれました(^_^;) 注文した包丁は歌舞伎の隈取とKumadoriと印刷された箱に入っていました。Kumadori?私が注文したのは源虎徹のはず・・・実は源虎徹の刃に出る波紋が美しく歌舞伎の隈取のようだということで源虎徹シリーズには別にKumadoriというシリーズ名が与えられているようです。箱の中には取扱説明書、鋼材の説明などが入っていました。水に浸け置き、こじって切る、食器洗浄機などは禁止だそうです。検索していて気づいたんですが食器洗浄がOKの包丁ってあまりないんですね。
箱から出して眺めてみます。なかなか形も良いではないでしょうか。
刃にはシリーズ名の源虎徹と材質の硬質三層スウェデン鋼という文字が深めに刻まれています。こんなところも本格的な包丁っぽくて顔がにやけます。
刃先は三徳包丁にしては尖っていて使いやすそう。刃紋もきれいに出ています。う~ん刀みたいで男なら気分が上がるポイントですね。かっこいい!
柄の部分は木製でグリップはエッジも立っているので濡れても滑りにくく安心して切る作業に集中できます。柄の付け根は雑菌などが残らないよう工夫されているので衛生面も安心です。
刃の厚みは出刃などに比べるとかなり薄め。一般的な三徳包丁と比べるとどうか分かりませんが、実家の包丁とさほど変わらないと思います。私的には厚い包丁よりこのくらいの方が使いやすいかな。でも、カボチャなど硬いものを切るときには注意が必要のようです。
源虎徹は価格、デザイン、所有する喜び、切れ味など満足する一品でした。難を言えば切れ味が期待より少し悪かったことと商品到着までひと月待たなければならないということでしょうか。切れ味の方は研ぐことによって期待の切れ味に近づくと思われるので不満というほどではないですね。納品に関してもひと月かかると明記されていたので納得の上で購入、不満はないです。初めにも書きましたが、安く早く良い物が欲しい方は関虎徹をお勧めします。
次は藤次郎を購入してみようかな。ダマスカス鋼の包丁も欲しいなぁ。
箱から出してそのまま、研ぎなどを行っていない状態での切れ味などは動画でご確認ください。