クライシス・オブ・アメリカ
原題:The Manchurian Candidate
原作:リチャードコンドン
クウェートの砂漠地帯で襲撃されたマルコ少佐(デンゼル・ワシントン)の部隊は、レイモンド・ショー軍曹(リーヴ・シュレイバー)の活躍で無事生還する。アメリカでは英雄として迎えられたレイモンドは副大統領候補として脚光を浴びるが、マルコには違和感があった……。
出演: デンゼル・ワシントン, メリル・ストリープ, ジェフリー・ライト, リーヴ・シュレイバー
監督: ジョナサン・デミ
THE MANCHURIAN CANDIDATE|ジョナサン・デミ
Review
久しぶりにデンゼル・ワシントンの主演作品を見てみたくなりました。原作はリチャード・コンドンの小説『影なき狙撃者』。1962年以来2度目の映画化となる作品です。
主人公のマルコ少佐は湾岸戦争時、失われた小隊の生き残り。同じ隊にいたレイモンド・ショーはたったひとり小隊の仲間を救った英雄として凱旋し帰国後、副大統領候補に指名され選挙戦を戦っていた。そこに現れた元部下のメルヴィンから自分の見る悪夢について打ち明けられる。マルコは自分も同じ悪夢を見ることに違和感と疑念を感じ始め、自ら調査を開始する。
洗脳や催眠術、インプラントで人間を操って無敵の兵士や暗殺者、世界征服を企むという使い古されたアイデアですが、原作の発表の年や前回の映画化の年を考えると仕方ないかな。でも、今の技術なら可能かもって思うとちょっと怖い(^_^;)
初めは違和感を感じながらも自分の記憶を疑い切れず、相手にしないが徐々に疑念が確信に変わっていき、それぞれの運命へと向かっていきます。トリガーとなる言葉によって操り人形になり愛した人や戦友さえも何の躊躇も感情もなく殺してしまう。そんな自分に恐怖しながらも記憶は残らず記憶の断片はノイズとして定期的に書き換えられてしまう。自分を操っているのは誰なのか?目的は何なのか?人の欲望とエゴの行きつく先は、そしてそれぞれが選んだ結末は・・・。
メリル・ストリープは怖い女性、最近はマザコンの母親役で右に出る俳優はいないですね。この配役でネタバレも同然ですかね。デンゼル・ワシントンはこの手のサスペンスがはやりシックリきますね。見せ場で見せる演技、流石です。
操られた人には記憶も残らないだろうけど、現行犯だと言い逃れできないじゃんとか、隠密でしか行動できないじゃんとか、副大統領候補に殺人命令しちゃダメじゃんとか、そんなこと突っ込んじゃダメですよ。